御大層
ごたいそう
形容動詞
標準
文例 · 用例
足ぐれえ踏んだにしちゃ、怒りようが御大層だが、面を見や、踵と大した違えは無えから、ははは、」 と夜の大路へ笑が響いて、「汝の方じゃ、面を踏まれた分にして、怒りやがるんだ、と断念めてよ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
コンナ盲目同然のおやじを、御大層に飼っとく新聞社は、まったくのところ、日本全国に無いだろう。
— 夢野久作 『山羊髯編輯長』 青空文庫
女の覚醒とか解放とか何とか、御大層な事をいふが、他人の瑕瑾捜しや贅沢咄や姑や小姑の讒訴を止めない中は女は決して其品性を誇る事は出来ぬ。
— 内田魯庵 『家庭の読書室』 青空文庫
私の前で、いや御大層に大きな事を長々と述べたが、それは結局警察では一言も取り上げられなかつたのではないか。
— 浜尾四郎 『殺人鬼』 青空文庫
その御大層もない茶壺を、あの品川へ着いた夜の酒宴に、三島から狙ってきたこのおいらに、見ごとに盗みだされるたア、強いだけで能のねえ田舎ざむれえ、よくもああ木偶の坊が揃ったもんだと、与吉は、大得意だ。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
」 野村は給仕の持って来た珈琲を俊助の方へ押しやりながら、また肥った指の先を着物の襟へちょいとやって、「あすこじゃこの頃、家中がトルストイにかぶれているもんだから、こいつにも御大層なピエルと云う名前がついている。
— 芥川龍之介 『路上』 青空文庫
お嬢さんたちは、芝居の八百屋お七や油屋お染だと思えばまあ間違いはない、御大層なのは友禅の座ぶとんを抱えさせてくる。
— 長谷川時雨 『源泉小学校』 青空文庫
女房曰く、御大層な事をお言ひでないうちのお米が井戸端へ持つて出られるかえ其儘鳴りの鎮つたのは、辛辣な後者の勝に帰したのだらう(十八日) ○鉄馬創業の際、大通りの営業別を調べたるに、新橋浅草間に湯屋は一軒なりしと、旧けれどこれも其老人の話也。
— 斎藤緑雨 『もゝはがき』 青空文庫