満腔
まんこう異読 まんくう
名詞-の形容詞名詞
標準
heartfelt
文例 · 用例
執事は大助を彼方の一室へ案内し、はたと閉ざして立去りける跡に、大助は多時無事に苦みつ、どうどうとしこを踏みて四壁を動かし、獅子のごとき力声を発して、満腔の鋭気を洩しながら、なお徒然に堪えざりけり。
— 泉鏡花 『金時計』 青空文庫
」と満腔の毒を一瀉して浴せかくる。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
其書は満腔の欝気を伸べ、思ふ存分のことを書いて居るが、静かに味はつて見ると、強い言の中に柔らかな情があり、穏やかに委曲を尽してゐる中に手強いところがあつて中※面白い。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
黄雲の如き土塵をものともせず、我も亦躍然として人々と共に一群の先鋒に銅羅声をあげたりき、これこの古帽先生が其満腔の愛国心を発表しえたる唯一の機会なりし也。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
他の関係筋ではかの女と精神肉体ともに悉く交渉を打切られてしまったわたしは、ただ親切という管に於て、たゞかの女の最上無上の幸福に努力するということだけに於て、わたしの肺臓は満腔の力を吹き込むのを許されるのだった。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
ああ、神よ、他人は知らじ、我はわが生命の真珠全きを今もながめて、満腔の歓喜高く大音に感謝しまつる。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
」邦家の事|曷んぞ長舌弁士のみ能く知るところならんや、別に満腔の悲慨を涵へて、生死悟明の淵に一生を憂ふるものなからずとせんや。
— 北村透谷 『富嶽の詩神を思ふ』 青空文庫
臥薪十年の後、甚だ高価なる同胞の資財と生血とを投じて贏ち得たる光栄の戦信に接しては、誰か満腔の誠意を以て歓呼の声を揚げざらむ。
— 石川啄木 『渋民村より』 青空文庫
作例 · 標準
彼の感謝の言葉は満腔の思いが込められていた。
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満腔の思いを込めて、彼女は彼に別れを告げた。
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心からの感謝の念は、満腔の言葉となって現れた。
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