斎庭
ゆにわ
名詞
標準
文例 · 用例
維新以来、一切のものの建て直しとはまだまだ名ばかり、朝に晩に彼のたたずみながめた神社の回廊の前には石燈籠の立つ斎庭がひらけ、よく行った神門のそばには冬青の赤い実をたれたのが目についたが、薄暗い過去はまだそんなところにも残って、彼の目の前に息づいているように見えた。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
此人々は、時期が来ると、稲を積んで都へ上り、土地を選んで、そこへ斎庭を作る。
— 折口信夫 『大嘗祭の本義』 青空文庫
国家時代に入つて、呪言から分化した叙事詩から、抒情脈の叙事詩なる短詩形の民謡が行はれる様になると、群行の神を迎へる夜遊びが、邑落によつては、斎庭に於て行はれた。
— 唱導的方面を中心として 『国文学の発生(第四稿)』 青空文庫
どの社も山人が榊を持つて来て、これを斎庭に立てることになつてゐるやうですし、その上これが臨場する時に、祭りに関係した男女が出迎へることになつてゐるやうです。
— 折口信夫 『神楽(その二)』 青空文庫
アナトール・フランス作中しばしば見る処の学者の書斎庭園等の描写の如し。
— 永井荷風 『小説作法』 青空文庫