惆悵
惆悵
名詞
標準
文例 · 用例
夕刻、うちつれて追分の岐れ道を見、惆悵として帰る。
— 北原白秋 『海阪』 青空文庫
此の躰を見て惆悵として去る能はず、熟視すれば乗者の衣は三紋の、あはれ昔時を忍ぶ会津武士、脚は破衣を脱して露はるゝところ銃創を印し、眼は空しく開けども明を見ず。
— 北村透谷 『客居偶録』 青空文庫
惆悵我歸君未復 惆悵す我帰りしも君未だかへらず、不知與誰話曾遊 知らず誰と共にか曾遊を話せむ。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
(老学庵筆記、巻九) (九) 東坡の絶句に云ふ、梨花澹白柳深青、柳絮飛時花満城、惆悵東闌一株雪、人生看得幾清明と。
— その七 ――放翁詩話三十章―― 『放翁鑑賞』 青空文庫
すなわち氏はかつて徳川家の食を食む者にして、不幸にして自分は徳川の事に死するの機会を失うたれども、他人のこれに死するものあるを見れば慷慨惆悵自から禁ずる能わず、欽慕の余り遂に右の文字をも石に刻したることならん。
— 瘠我慢の説 『瘠我慢の説』 青空文庫
そこで翁はやむを得ず、この荒れ果てた家のどこかに、蔵している名画を想いながら、惆悵と独り帰って来ました。
— 芥川龍之介 『秋山図』 青空文庫
五十年の短き生涯は、是の如くにして※忙の間に勞し去らるゝを見ては、吾人豈惆悵たらざるを得むや。
— 高山樗牛 『美的生活を論ず』 青空文庫
惆悵として盃を傾くる事|二度び三度び。
— 永井荷風 『妾宅』 青空文庫