椋
むく
名詞
標準
文例 · 用例
むかしのもの語にも、年月の経る間には、おなじ背戸に、孫も彦も群るはずだし、第一|椋鳥と塒を賭けて戦う時の、雀の軍勢を思いたい。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
そのなかで一本|椋の樹の幹だけがほの白く闇のなかから浮かんで見えるのであった。
— 梶井基次郎 『温泉』 青空文庫
そしてある日、屏風のように立ち並んだ樫の木へ鉛色の椋鳥が何百羽と知れず下りた頃から、だんだん霜は鋭くなってきた。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
そこは喬い欅や樫や椎の木にまじつて椋の木や櫻の木などが鬱蒼と溪から山腹を覆つてゐた。
— 梶井基次郎 『闇への書』 青空文庫
御城の杉の梢は丁度この絵と同じようなさびた色をして、お濠の石崖の上には葉をふるうた椋の大木が、枯菰の中のつめたい水に影を落している。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
この榎樹から東の方に並んで数本の大きな椋の樹があった。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
椋の実はちょっと干葡萄のような色と味をもっている。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
これらの樹の実を尋ねて飛んで来る木椋鳥の大群も愉快な見物であった。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫