来尽
らいじん
名詞
標準
文例 · 用例
九時半頃、秋野教師が遅刻の弁疏を為い/\入つて来て、何時も其室の柱に懸けて置く黒繻子の袴を穿いた時は、後から/\と来た新入生も大方来尽して、職員室の中は空いてゐた。
— 石川啄木 『足跡』 青空文庫
が、松が取れたきょうとなっては、もはや来るべき友達も来尽してしまった肩脱けから、やがて版元に重ねての催促を受けぬうち、一気呵成に脱稿してしまおうと、七草|粥を祝うとそのまゝ、壁に「菊軒」の額を懸けた四畳半の書斎に納まって、今しも硯に水を移したところだった。
— 邦枝完二 『曲亭馬琴』 青空文庫
譬へば是に美術家があると假定して見ると、古往今來盡未來の第一位の人たらんとするものもあり、古の人に比して、誰位になり得れば、滿足と思ふものもあり、それよりも低き古人を眼中に置いて、それ位が滿足であると思ふものもある。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
九時半頃、秋野教師が遲刻の辯疏を爲い/\入つて來て、何時も其室の柱に懸けて置く黒繻子の袴を穿いた時は、後から/\と來た新入生も大方來盡して、職員室の中は空いてゐた。
— 石川啄木 『足跡』 青空文庫
古來武田上杉家は武功の家と申、又乍恐東照宮三河御在國の時天下無敵の御勢被爲有候え共、甲越の家來盡く武人にも有之間敷、三河士は何れも槍劍の達人にて東照宮も御勝利被爲有候と申儀も承不申、左候えば國の強弱は武人の多少には拘らず、武備の法の整と不整に依候義と奉存候。
— 福澤諭吉 『御時務の儀に付申上候書付』 青空文庫