時の帝
ときのみかど
名詞
標準
emperor of the time
文例 · 用例
父子の別れというようなことはなんでもない場合でも悲しいものであるから、この時の帝のお心持ちほどお気の毒なものはなかった。
— 桐壺 『源氏物語』 青空文庫
蘭奢待といへば、むかし西蕃から渡来した黄熟香を、時の帝聖武が蘭奢待の三字に寺の名を入れて、その儘東大寺の宝蔵に納められた稀代の沈香で、正倉院の目録によると、重量二貫五百目、長さ五尺二寸、本口周り三尺九寸、本口|直径一尺四寸、末口周り一尺五寸、末口|直径七寸、といふ事だ。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
この樹の精霊、時の帝闕を犯し奉りしによって、勅宣下って伐り倒したとの言伝えであるが、時代さらに確かならずと書いてある。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫
時の帝の中宮、後に建禮門院と申せしは、入道が第四の女なりしかば、此夜の盛宴に漏れ給はず、册ける女房曹司は皆々晴の衣裳に奇羅を競ひ、六宮の粉黛何れ劣らず粧を凝らして、花にはあらで得ならぬ匂ひ、そよ吹く風毎に素袍の袖を掠むれば、末座に竝み居る若侍等の亂れもせぬ衣髮をつくろふも可笑し。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
かしこきや時の帝を懸けつれば音のみし哭かゆ朝宵にして」 皆しんとなった。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
トルストイの「戦争と平和」が明治時代に我国に翻訳されたのも、それが当時の社会状態に対する政治的な社会的な鋭い批判を含んでいたからであり、「復活」等が当時の帝政露西亜の政府の忌諱に触れて焼かれたにも拘らず、人心をかくも捉え得たのは、亦その政治社会に対する宣伝的要素を充分備えていたからである。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
畏きや時の帝を懸けつれば音のみし哭かゆ朝宵にして これは日本の万葉時代の女性、藤原夫人の恋のなやみの歌である。
— 倉田百三 『女性の諸問題』 青空文庫
そのうちに、赫映姫が並ぶものゝないほど美しいといふ噂を、時の帝がお聞きになつて、一人の女官に、「姫の姿がどのようであるか見て參れ」 と仰せられました。
— 和田萬吉 『竹取物語』 青空文庫
作例 · 標準
平安時代、時の帝は文学や芸術を奨励した。
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歴史書には、時の帝の行いが詳しく記されている。
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都では、時の帝の勅命が絶対的な力を持っていた。
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