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愛顧

あいこ
名詞
1
標準
文例 · 用例
若い新趣味の人には食ひ足らず、古い老人には漢詩的風情がなさすぎる所から、一般に伊香保の愛顧者は温健な婦人に多い。
萩原朔太郎 石段上りの街 青空文庫
前に伊香保の愛顧者は女性に多いと言つたが、つまりその女性とはかういつたやうな、中庸的の夫人や娘たちである。
萩原朔太郎 石段上りの街 青空文庫
愛吉は紋床で謂った、鴨川はその敵で親の仇とも思う怨がある、それは渠がかねて愛顧を蒙る勝山の女お夏というのに就いたことである。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
長い歳月の間、まじめな御用の時も、遊びの催しにもお身近の者として離れず侍してきて、だれよりも多く愛顧を賜わった院の、なつかしいお優しさを思うと、無礼な者としてお憎しみを受けることになっては、自分は御前で顔の向けようもない。
若菜(下) 源氏物語 青空文庫
上の兄の中将が、「公務で忙しくしているうちに、姫君の愛顧を侍従に独占されてしまったのはつまらないね」 と言うと、次の兄の右中弁が、「弁官はまた特別に御用が多いから、忠誠ぶりを見ていただけないからといっても、少しは斟酌していただかないでは」 と言う。
竹河 源氏物語 青空文庫
日ごろご愛顧くださる伊豆守様までが詮議を禁じたうえに、そのまた禁じ方なるものが、さながら尾州家において名人の出馬するのを恐るるもののごときけはいがうかがわれましたものでしたから、身分の相違、役の低さに、しみじみとこの世がはかなく思えたのはむべなりというべきでした。
七化け役者 右門捕物帖 青空文庫
私は是から遠方へ参りますが、何卒従前の通り御見捨なく御愛顧の程を願ひます。
夏目金之助 坊っちやん 青空文庫
私はこれから遠方へ参りますが、なにとぞ従前の通りお見捨てなくご愛顧のほどを願います。
夏目漱石 坊っちゃん 青空文庫