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梨の実

なしのみ
名詞
1
標準
pear
文例 · 用例
それから今度は北風又三郎が、今年はじめて笛のやうに青ぞらを叫んで過ぎた時、丘のふもとのやまならしの木はせはしくひらめき、果物畑の梨の実は落ちましたが、此のたけ高い三本のダァリヤは、ほんのわづか、きらびやかなわらひを揚げただけでした。
宮沢賢治 まなづるとダァリヤ 青空文庫
私は公園の山のベンチに腰をかけて、上野の山を眼界にして左右にひろびろと広がった白い焼野原を見ながら、花屋敷の前で買って来た梨の実を噛った。
田中貢太郎 死体の匂い 青空文庫
三 半纏着は、急に日が蔭ったような足許から、目を上げて、兀げた老人の頭と、手に持った梨の実の白いのを見較べる。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
規模は小さくっても、電燈も店飾も、さすがに地方での都会であったが、ちょっと曲角が真暗で、灯一つ置かない夜店に、大な炭団のような梨の実と、火が少しおこり掛けたという柿を積んだ、脊の低い影のごとき媼さんが、ちょうど通りかかった時、生欠伸を一つして、「おお寒、寒、寒やの。
泉鏡花 卵塔場の天女 青空文庫
野猪山梨の実を好んで山梨姫と呼ばれたものか、更に分らぬが歌の意は、山梨のなしに対してありすなわち蛇がここにありと告げて食わせるぞと蛇を脅かしたので、梨をアリノミともいうに因る。
猪に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
わがねむる家のそちこち音に澄みてこほろぎの鳴く夜となりにけりこほろぎのしとどに鳴ける真夜中に喰ふ梨の実のつゆは垂りつつ使ひ終へていまたてかけしまな板の雫垂りつつこほろぎの鳴く こほろぎと同じく、飼つておくわけでもないに部屋のうちに来て鳴く虫に茶たて虫といふがゐる。
若山牧水 秋草と虫の音 青空文庫
もしか梨の実がみのって、少しでも余分のものがおありでしたら、そのときには盗人や虫におやりになる前に、まず私にいただかせて下さいますように。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
こうは思いあらためたものの、農夫は心の奥でその結果について幾らかの不安を抱かないわけではなかったが、次の夏が来て、梨の実がみのる季節になると、彼は不思議なものを見せつけられて、心の底から驚嘆した。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
作例 · 標準
秋風が吹く頃、庭の梨の実は収穫の時期を迎える。
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採れたての梨の実を一口食べると、甘酸っぱい果汁が口いっぱいに広がった。
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子供の頃、よく祖父と梨の実を採りに行ったものだ。
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