空世辞
からせじ
名詞
標準
flattery
文例 · 用例
で、その話を聞き外していた間は、何をしていたかとじっくり調べてみると、或いは自分の商売の駆け引きを考えたり、或いは明日の米代の才覚をしていたり、或いは昨日の酒宴に侍した芸妓の振りまいた空世辞を、愚にもつかず悦んだりしていたのである、という事が調べ出せるだろう。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
海に千年、山に千年の老巧手だれの交際上手であったが、人の顔色を見て空世辞追従笑いをする人ではなかった。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
よりどこのない空世辞を並べる人とは違う、 先代からの人を見て私にはよう分っとる。
— 宮本百合子 『栄蔵の死』 青空文庫
毎度ありがとうございますって、人を馬鹿にした空世辞も、満更嬉しくないでもなかった。
— 豊島与志雄 『神棚』 青空文庫
それには鬼鬚を生やし、いつも厳しく五つ紋の羽織を着て壮士上がりのような振る舞い多い興行主の岡村は、大真打たちには空々しいほど空世辞を言い頭を大地へすりつけんまでにして、精いっぱいに待遇したが、反対に下っ端のものには、ガミガミ頭から怒鳴りつけてばかりいた。
— 正岡容 『寄席』 青空文庫
真面目な平凡なお愛想より、気の利いた空世辞のほうがましだとさえ思った。
— LE VIGNERON DANS SA VIGNE 『ぶどう畑のぶどう作り』 青空文庫
仙太 とかなんとか、不景気故の空世辞をまに受けて、枕だこのできた飯盛りなんぞに鼻毛読ませの、ヨダレをくっているなんざあ、見られた図じゃねえ。
— 三好十郎 『斬られの仙太』 青空文庫
――空世辞をいう番頭のいなくなったあと、わたしは、障子の外に出て、欄干の下をみ下した。
— 久保田万太郎 『春深く』 青空文庫
作例 · 標準
彼は誰に対してもお世辞が上手いが、それは単なる空世辞だと周りは気づいている。
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「すごいですね!」という彼女の言葉は、本心からの賞賛というより空世辞に聞こえた。
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上司は部下を褒めるのが好きだが、たまに空世辞に聞こえるような過剰な賛辞を口にする。
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空世辞でご機嫌を取ろうとしても、私の本心は変わらない。
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