明窓
めいそう
名詞
標準
文例 · 用例
所謂明窓淨机といふのはこれだらう。
— 萩原朔太郎 『田端に居た頃』 青空文庫
明窓浄几、筆硯紙墨、皆極精良、とでもいうような感じで、あまりに整頓されすぎていて、かえって小川君がこの部屋では何も勉強していないのではないかと思われたくらいであった。
— 太宰治 『母』 青空文庫
本能と良心と、わかちがたき一つの心をふたつにわかたんとする大人の心のうらさびしさよ、力をこめて引きはなされた二つの影は、糸のやうにもつれあひつつ、ほのぐらき明窓のあたりをさまようた。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
」 橋から橋へ、河岸の庫の片暗がりを遠慮らしく片側へ寄って、売残りの草花の中に、蝶の夢には、野末の一軒家の明窓で、かんてらの火を置いた。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
一方は明窓の障子がはまつて、其外は疊二疊ばかりの、しツくひ叩の池で、金魚も緋鯉も居るのではない。
— 泉鏡花 『怪談女の輪』 青空文庫
――棄り放しの空地かと思へば、竹の木戸があつたり、江一格子が見えたり、半開きの明窓が葉末をのぞいて、小さな姿見に荵が映る。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
その扉の上の明窓から洩れ込んで来る、仄青い光線をたよりに、両側に二つ並んでいる急な階段の向って左側を、ゴトンゴトンと登り詰めて右に折れると、今度はステキに明るい南向きの廊下になって、右側に「実験室」とか「図書室」とかいう木札をかけた、いくつもの室が並んでいる。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
明窓の障子を開けて見ると紫※の花なぞが咲いてるぢやないか。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫