灰汁抜け
あくぬけ
名詞
標準
文例 · 用例
父は鏡子の明治型の瓜実顔の面だちから、これを日本娘の典型と歓び、母は父が初老に近い男でも、永らく外国生活をして灰汁抜けのした捌きや、エキゾチックな性格に興味を持ち、結婚は滑らかに運んだ。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
私はまだ、どこか灰汁抜けしない女臭いところがあるのかと、自分を顧みまして、努めようとしましたが、もうわけが分りません。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
それほどこの若い画家は都会文化に灰汁抜けて現実性の若い者同志間の危険はなかつた。
— 岡本かの子 『川』 青空文庫
また、隣りのショーウヰンドウには日本趣味をちょっともじったほどの灰汁抜けの仕方で、染め付けた娘のパラソルの拡げられたものが、夕映えのまだら雲のように層と層の端を重ねております。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
彼女はわたしの美貌を利用し、最も都会的で灰汁抜けした書生風の服装や動作を仕込んだ。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
同じく都会に育って、灰汁抜けし過ぎた性質から、夫からも家からもあっさり振り捨てられて、他人の家で令嬢附の侍女を勤めて、平気な顔をしている老女中は、青年と上べの調子はよく合った。
— 岡本かの子 『高原の太陽』 青空文庫
西向きの二階の部屋には、金兵衛が先代の遺物と見えて、美濃派の俳人らの寄せ書きが灰汁抜けのした表装にして壁に掛けてある。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
お雪ちゃんは、その瞬間の印象では、この辺で、ちょっと灰汁抜けのしたイナセな兄さんだと認めると共に、どうもどこかで見たような男だと感じました。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫