海鼠壁
なまこかべ
名詞
標準
文例 · 用例
」 俥が霞ヶ|關へ掛つて、黒田の海鼠壁と云ふ昔からの難所を乘る時分には、馬が鬣を振るが如く幌が搖れた。
— 泉鏡太郎 『大阪まで』 青空文庫
二十五年前には今の日比谷の公園の片隅に、昔の大名の長屋の海鼠壁や二の字窓が未だ残っていた。
— 内田魯庵 『二十五年間の文人の社会的地位の進歩』 青空文庫
で、左右を海鼠壁によって、高く仕切られているこの往来には、真珠色の春の夜の靄と、それを淹して射している月光とが、しめやかに充ちているばかりであった。
— 国枝史郎 『仇討姉妹笠』 青空文庫
伊賀袴を穿いた美少年が、手に持っている龕燈で、時々海鼠壁を照らしたりした。
— 国枝史郎 『仇討姉妹笠』 青空文庫
車の上の植木はいずれも高価な、立派な品らしく見受けられたが、往来の左右の海鼠壁よりも高く、月夜の空の方へ葉や枝を延ばし、車の揺れるに従って、それをユサユサと揺する様子は、林が歩いてでも来るようであった。
— 国枝史郎 『仇討姉妹笠』 青空文庫
」 左側は十五万石榊原式部大輔、そのお方のお屋敷で、海鼠壁が長く延びている。
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫
その海鼠壁をぬきんでて、お庭の植え込みが繁ってい、右側は普門院常照寺で、白壁が長く延びている。
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫
と、背後へ下がったが、背後に海鼠壁が立っていた。
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫