裳裾
もすそ
名詞
標準
cuff (of pants)
文例 · 用例
小さな頭、長い裳裾、椅子は一つもないのです。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
十幾階の角形の建築物や、工場の煙突の上に、白蝶の翼をひろげたように、雪の粉を吹いて、遠くはこんもりと黒く茂った森、柔かい緑の絨氈を畝ねらせる水成岩の丘陵、幾筋かの厚襟をかき合せたカスケード高原の上に、裳裾を引くこと長く、神々しくそそり立つ姿であった。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
富士のさばいた裳裾が、斜がちな大原に引く境い目に、光といわんには弱いほどの、一線の薄明りが横ざまにさす。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
謡の意は婦人もまた裳裾を※げて水を渉るに至つて其影悪むべく、田螺も呆れて蓋をするといふのである。
— 幸田露伴 『震は亨る』 青空文庫
其謡は何人が作つたか知らぬが、童幼皆これを口にするに及んで、俄然として江東大水、家流れ家洗はれ、婦女も裳裾をかゝげて右往左往するに至つたのである。
— 幸田露伴 『震は亨る』 青空文庫
ひばりが空高く啼きお陽さまの裳裾がゆらゆらとゆれかがやいて居ます。
— 岡本かの子 『花子』 青空文庫
賑やかに入って来た客は印度婦人服独特の優雅で繚乱な衣裳を頭から被り、裳裾を長く揺曳した一団の印度婦人だった。
— 岡本かの子 『ガルスワーシーの家』 青空文庫
裳裾のようにパッとひらいた頽廃の夜が、葉鶏頭の花にも似た強烈な色彩に揺れて、イヴニングドレスの背中をくりぬいて見せた白い素肌が、蛇のようにくねると、そのくぼみに汗が汗ばみ、女の体臭を男の体臭が絞り出すような夏の夜の踊りに、体の固い若いダンサーのステップもいつか粘るのだった……。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
作例 · 標準
風に吹かれて舞い上がる裳裾を、彼女は恥ずかしそうに手で押さえた。
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長い裳裾を引きずりながら、十二単を纏った姫君がゆっくりと廊下を歩む。
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ドレスの裳裾に刺繍された繊細なレースが、花嫁の美しさを一層引き立てている。
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