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険所

けんしょ
名詞
1
標準
文例 · 用例
旬日に余る旅、しかも多く人の難とする険所をのみ選みし行なれば、旅中の珍談奇談山のごとし。
井沢衣水 本州横断 痛快徒歩旅行 青空文庫
」 人足たちがどぶろくをあおる間に、名人主従ははや握りのむすびで腹をこしらえて、いよいよ箱根八里の険所にさしかかりました。
毒を抱く女 右門捕物帖 青空文庫
親知らず、子知らずの険所を越える時などは、岩かどでお足をおけがなされて、足袋はあかく血がにじみましてな。
倉田百三 出家とその弟子 青空文庫
松山越の観音堂の前で各々下馬して、甲冑を荷って嶮所をよじたが、宵闇ではあるし行悩んだ。
菊池寛 長篠合戦 青空文庫
「さて蔦之助どの、そこもとは残る十七名の兵をもって、一隊の弓組をつくり、殿堂をかこい嶮所に登って廓のなかへ矢を射こみ、ときに応じ、変にのぞんで、奇兵となって討ちこまれい!
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
なかなか七十人や八十人の小勢でおしよせたところで、たやすく嶮所の廓は落ちまいと思う」「わたくしもあのなかを見てきましたが、どうしてどうして、おそろしい厳重な山荘でございました」「それゆえ、力で押さず、智でおとす。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫