木賃宿
きちんやど
名詞
標準
cheap lodging house
文例 · 用例
最後には或る雪の凍つた朝木賃宿の窓の横木に首を縊つた。
— 中原中也 『ヂェラルド・ド・ネルヴァル』 青空文庫
彼はかく労働している間、その宿所は木賃宿、夜は神田の夜学校に行って、もっぱら数学を学んでいたのである。
— 国木田独歩 『非凡なる凡人』 青空文庫
ただ汚ないばかりでなく、見るからして彼ははなはだやつれていた、思うに昼は街の塵に吹き立てられ、夜は木賃宿の隅に垢じみた夜具を被るのであろう。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
漸つと、其の(思つた)が消えて、まざ/\と恁うしてものを言交はせば、武藏野の丘の横穴めいた、山の手場末の寂びた町を、搜り/\に稼いで歩行くのが、誘ひ合はせて、年を越す蚊のやうに、細い笛の音で、やがて木賃宿の行燈の中へ消えるのであらうと、合點して、坂上も稍もの言ひが穩かに成つたのである。
— 泉鏡太郎 『三人の盲の話』 青空文庫
やがて、夜が明け放れた時、お兼は新庄の山の頂を越えた、その時は、裾を紮げ、荷を担ぎ、蝙蝠傘をさして、木賃宿から出たらしい貧しげな旅の客。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
やがて黒羽町に入込むと、なるほど、遊廓と背中合せに、木賃宿に毛の生えたような宿屋が一軒、簷先には△△屋と記してある。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
「あれ」と婦人の声、木賃宿の戸を開けて、内より出づる一人の美人、顔|美麗しく姿優なり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
ここはいずこぞ鮫ヶ橋、白日闇の木賃宿にしかき姿あるは怪むべし。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
作例 · 標準
若い頃、彼は貧乏旅行で各地の木賃宿を転々とした。
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この路地の奥には、まだ木賃宿として営業している古い建物がある。
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小説の主人公は、都会の片隅にある木賃宿で細々と暮らしていた。
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ウィキペディア
木賃宿(きちんやど)は、日本の宿泊施設の種類の一つ。
出典: 木賃宿 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0