治部少
じぶのしょう
名詞
標準
文例 · 用例
暫くすると、果して石田|治部少輔三成が佐和山城から出て來て、身方の諸大名を大阪へ集めた。
— 森鴎外 『栗山大膳』 青空文庫
× 石田治部少輔、益田右衛門尉、この二人が奉行となった。
— 国枝史郎 『五右衛門と新左』 青空文庫
一、石田|治部少の乱の年、即ち慶長五年七月十日、わたくし父|魚屋清左衛門、大阪|玉造のお屋敷へ参り、「かなりや」十羽、秀林院様へ献上仕り候。
— 芥川龍之介 『糸女覚え書』 青空文庫
三、澄見のこの日参り候は、内々治部少かたより頼まれ候よしにて、秀林院様のおん住居を城内へおん移し遊ばされ候やう、お勧め申す為に御座候。
— 芥川龍之介 『糸女覚え書』 青空文庫
六、少斎石見の両人、霜と申す女房を召し出され、こまごまと申され候は、この度急に治部少より、東へお立ちなされ候大名衆の人質をとられ候よし、専ら風聞仕り候へども、如何仕るべく候や、秀林院様のお思召しのほども承りたしとのことに有之候。
— 芥川龍之介 『糸女覚え書』 青空文庫
七、霜は即ちその旨を秀林院様へ申し上げ候ところ、秀林院様の御意なされ候は、治部少と三斎様とは兼ねがねおん仲|悪しく候まま、定めし人質のとりはじめにはこの方へ参るならん、万一さもなき節は他家の並もあるべきか、もし又一番に申し来り候はば、御返答|如何遊ばされ候べきや。
— 芥川龍之介 『糸女覚え書』 青空文庫
十一、然るに秀林院様御意なされ候は、如何にも浮田中納言殿は御一門のうちには候へども、これも治部少と一味のよし、兼ねがね承り及び候間、それ迄参り候ても人質は人質に候まま、同心致し難くと仰せられ候。
— 芥川龍之介 『糸女覚え書』 青空文庫
十六、十六日|巳の刻頃、少斎石見の両人、再び霜に申され候は、唯今治部少かたより表向きの使参り、是非とも秀林院様をおん渡し候へ、もしおん渡し候はずば、押し掛けて取り候はんと申し候間、さりとは我儘なる申し条も候ものかな、この上は我等腹を切り候とも、おん渡し仕るまじくと申し遣はし候。
— 芥川龍之介 『糸女覚え書』 青空文庫