成り立て
なりたて
名詞
標準
文例 · 用例
義雄もそれが若し成り立てば、今年の事はたとへ損失が多くても、辛抱さへしてゐればいいからといふ考へである。
— 放浪 『泡鳴五部作』 青空文庫
しかし一度び抽出の約束が成り立てば構わない。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
真に民衆の言葉としての『詩』を成り立てなければならないといふ私の詩の事業は、果敢ないものであるが、私の本能がそれを今後も持続させるだらう。
— 詩集(3)小熊秀雄詩集1 『小熊秀雄全集-4』 青空文庫
あまり長庵が、筆幸のことを五月蠅く頼み込むので――もっとも長庵としては、このはなしが成り立てば、いずれ筆屋から、たんまりお礼を貰う約束があるからだが――山城守は交換的に、長庵じしんに、一つの仕事を命じたのだった。
— 新版大岡政談 『魔像』 青空文庫
女は当時宝塚の人気スターで私より二つ上の二十二、私は二十で作家に成り立て、「文芸春秋」へ寄せた新作黄表紙が芥川さんに激賞されおよそ得意の絶頂時代だった。
— 正岡容 『わが寄席青春録』 青空文庫
まだ看護婦にはなりたての新参者だつた。
— 中原中也 『医者と赤ン坊』 青空文庫
小学校の三年まで行つて職工になつたが、なりたてのほやほやは自分の名位書けた。
— 葉山嘉樹 『工場の窓より』 青空文庫
眞野が看護婦になりたての、十九の夏のできごと。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫