相聞
そうもん
名詞
標準
文例 · 用例
萬歳の鼓遙かに、鞠唄は近く梅ヶ香と相聞こえ、突羽根の袂は松に友染を飜す。
— 泉鏡花 『月令十二態』 青空文庫
(幸ありませ)との一句を相聞、覊旅の歌の処々にみうけた気がするし、「われは妹想う、別れきぬれば」の感慨に、ぼくは単純卒直な惜別の哀愁を感ずる。
— 田中英光 『さようなら』 青空文庫
「近来蘭医増加致し、世上之を信用する者多く之ある由相聞え候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
「中納言咄にては、御城坊主抔は十五の新妾出来候故云云、酒も登城前より二升位づゝ用候よし云々、(中略、)沙汰には妾も数人有之抔と承り候、(中略、)全右等は人の悪口と存候へ共、衰へ候儀は無相違相聞え申候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
しかるに横田家の者どもとかく異志を存する由相聞え、ついに筑前国へ罷越し候。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書』 青空文庫
今般大阪表の始末|柄、在所表へ相聞え、深奉恐入候に付き上下一同謹慎|罷在候。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫
神社はもっとも皇族に関係深ければ一切保存して徐々に詮議すべきに、無茶苦茶に乱滅しおわるは、あたかも皇族華冑の遺跡が分からぬうちに乱滅するは結句厄介払いというように相聞こえ、まことに恐懼憤慨の至りなり。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
右は、天下こぞって誅戮を加うべきはずに候えども、大樹(家茂)においてはいまだ若年の儀にて、諸事奸吏どもの腹中より出で候おもむき相聞こえ、格別寛大の沙汰をもって、しばらく宥恕いたし候につき、速かに姦徒の罪状を糺明し、厳刑を加うべし。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫