挟箱
はさみばこ
名詞
標準
文例 · 用例
挟箱や鳥毛の槍を押し立てて舞踊しながら練り歩く百年前の姿をした「サムライ日本」の行進のために「モダーン日本」の自由主義を代表する自動車の流れが堰き留められてしまったのである。
— 寺田寅彦 『箱根熱海バス紀行』 青空文庫
箪笥、長持、挟箱、金高蒔絵、銀金具。
— 泉鏡花 『雛がたり』 青空文庫
街道の並木の松さすがに昔の名残を止むれども道脇の茶店いたずらにあれて鳥毛挟箱の行列見るに由なく、僅かに馬士歌の哀れを止むるのみなるも改まる御代に余命つなぎ得し白髪の媼が囲炉裏のそばに水洟すゝりながら孫|玄孫への語り草なるべし。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
十軒店で近頃出来合の品物じゃあないんだそうで、由緒のあるのを、お夏さんのに金に飽かして買ったって申しますがね、内裏様が一対、官女が七人お囃子が五人です、それについた、箪笥、長持、挟箱。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
それからね、まだ長持だの、挟箱だの……」 ああ、もう駄目だ。
— 二葉亭四迷 『平凡』 青空文庫
長持や挟箱の話になっちゃ大事去った、と後悔しても最う追付かない。
— 二葉亭四迷 『平凡』 青空文庫
雪江さんは、何処が面白いのだか、その長持や挟箱の話に夢中になって了って、其から其と話し続けて、盛返したくも盛返す隙がない。
— 二葉亭四迷 『平凡』 青空文庫
挟箱持った人と、怖い顔のお侍様が一人お供しておりました」「ウーム。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫