髀肉の嘆
ひにくのたん
表現
標準
fretting about forced idleness
文例 · 用例
(六月二十九日)四十九○英雄には髀肉の嘆といふ事がある。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
馬には髀肉の嘆つていふやつがあるけれども、艦はなんていひますかね。
— 岸田國士 『双面神』 青空文庫
ときおり「大将くらい信用があれば私なら店の売上を倍にして見せる」といっていわゆる髀肉の嘆をもらしてみせたものである。
— 相馬愛蔵 『私の小売商道』 青空文庫
私の大学のある研究生が、学問が好きで熱心に勉強していたが、病気になって療養所に入り、一年たち二年たちしている中に、同僚たちの学業が進んでいくのを見て、自分は病床で髀肉の嘆に堪えない。
— 矢内原忠雄 『キリスト教入門』 青空文庫
しかし、夜が更けて行くと、多摩川の流れの音が、冴えて聞えるだけで、別段、お化けも出なければ、幽霊も現われず、あたら英雄も髀肉の嘆に堪えない有様です。
— 白骨の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
うちの懸り人どのは、そういう折を待ってござるが、出会わないので、毎日、髀肉の嘆をもらしているくらいだ」「あ。
— 二天の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
髀肉の嘆『――藪椿ですけれど、こうして挿すと見られましょう。
— 吉川英治 『死んだ千鳥』 青空文庫
その明後日までに金が調う位なら、こうして、髀肉の嘆を洩らしながら、閉じ籠って居りはしない』『坐っていて、お金のできる気遣いはございませぬ』『まだ云うかっ。
— 吉川英治 『死んだ千鳥』 青空文庫
作例 · 標準
かつて戦場を駆け巡った名将も、今は平和な村で静かに暮らしているが、時折ふと自分の太ももを見ては「髀肉の嘆」を漏らしている。
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溢れる才能を持ちながら、地方の小さな営業所で燻り続けている彼は、いつか大きな仕事を成し遂げたいと、日々「髀肉の嘆」をかこっている。
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定年退職して自由な時間が増えたものの、特に趣味もない彼は、ただ過ぎ去る時間を惜しむように「髀肉の嘆」を感じているようだった。
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