わし
わし
代名詞
標準
文例 · 用例
梅の花、菜の花ののどかな村むらを、粟毛に額白の馬をのりまわした糟谷は、当時若い男女の注視の焦点であった。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
糟谷はいまの場長の話は遠まわしに自分に諷するのじゃないかと思った。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
もうこうなっては寝ていようとて寝ていらるるものでない、母なるものが起きる、予も起きる、着物もあぶれたというので、上なが起る次なが起る、仲なのも起る、足袋がないとさわぐ、前掛がないと泣きだす、ウンコーというオシッコーという、さわがしいのせわしいの、それは名状すべからずと云う有様。
— 伊藤左千夫 『浅草詣』 青空文庫
予は寧ろこれを読むのが厭わしかった。
— 伊藤左千夫 『大雨の前日』 青空文庫
斯る深山に入りてみやびたるわざに心をこらす少女の心のうちを思うにいとなつかしく今|迄は只いとわしき者にのみ思いし外国人の中にかかるやさしきもありけるよと心にくき事限りなし。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
三人声かけあいて登るに道けわしければ汗は滝なして降る。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
僅かの相違であるが『あまた立ちならぶ様のさびしも』と詞に淀みのある云い方が自然に作者の心持を現わして居る。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
帰ろうと云う決心極めて薄弱であるので未だ吾からだを動して帰路に向わしむる程の力がないのだ。
— 伊藤左千夫 『根岸庵訪問の記』 青空文庫