片耳
かたみみ
名詞
標準
one ear
文例 · 用例
」 義作は左の耳から頬へかけて掌ですぺりと撫でて、仕方を見せ、苦笑をして、「片耳ざくり、行って御覧じろ、鹿が角を折ったように片一方まるで形なしだ。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
お客様のお買物について何か二言三言お尋ねになりましたきりで、その椅子に腰を卸して煙草を召あがりながら、表の通りをボンヤリと眺めてお出でになる様でしたが、そのままユックリユックリ出てお出でになったんですが……」 と云う雄弁な中小僧の言葉を片耳に残しながら……。
— 夢野久作 『殺人迷路』 青空文庫
――ではわしも、とうとう耳が遠くなりはじめたのか、と思つて、お祖父さんは、片耳を戸に押しあててきいた。
— 新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 青空文庫
厳しゅうて笛吹は眇、女どもは片耳|殺ぐか、鼻を削るか、蹇、跛どころかの――軽うて、気絶……やがて、息を吹返さすかの。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
見下ろす先には、くすんだ中間色のロンドン市街、私もホームズの肩越しに覗いてみると、向かいの舗道に大柄の女が、ふっくらした毛皮の襟巻きを首に廻して、鍔広の帽子に大きな曲線を描いた赤い羽根をつけ、それを艶なデヴォンシア公爵夫人流に、片耳隠しで斜にかぶって立っている。
— A CASE OF IDENTITY 『同一事件』 青空文庫
しかし、右門ら一行のものにとっては、くまの手踊りよりも片耳のない浪人者が、その一団のうちに交じっているかいないかが第一の問題でしたから、見物人のうしろにかくれて、各自の目を光らしながら、ひとりひとり遊芸人の耳を調べました。
— 耳のない浪人 『右門捕物帖』 青空文庫
すばりとみごとに片耳を削って、深く肩まで切りさげられてはいたが、顔は、血によごれたその顔は、まぎれもなくさきほどのあの青月代の町人でした。
— やまがら美人影絵 『右門捕物帖』 青空文庫
」「は」というと四十年輩、片耳欠けたさむらいが、「織田信長かと存じます」「まず及第、その辺であろう。
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫
作例 · 標準
電話で話すとき、邪魔にならないようにイヤホンは片耳だけに使った。
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彼は片耳にしか補聴器をつけていない。
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音楽を聴きながら歩くときは、安全のため片耳を開けている。
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