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巨杉

きょさん
名詞
1
標準
文例 · 用例
そうして河向いの高い塀の曲り角のところの内側に塔のような絞首台の建物の屋根が少し見えて、その上には巨杉に蔽われた城山の真暗なシルエットが銀砂を散らした星空に高く聳えていたのである。
寺田寅彦 追憶の冬夜 青空文庫
すべてこれ老松巨杉かと見れば、老松巨杉のみにもあらず。
大町桂月 遊羽雜感 青空文庫
周囲四丈八尺ある門前の巨杉の下には、お祭りの名残りの塵芥や落葉が堆く掻き集められて、誰が火をつけたか、火焔は揚らずに、浅黄色した煙のみが濛々として、杉の梢の間に立ち迷うて西へ流れています。
安房の国の巻 大菩薩峠 青空文庫
姿はやっぱり見えないけれども、それは焚火の燃え残っている四丈八尺の巨杉の幹の中程から起ったことはたしかであります。
安房の国の巻 大菩薩峠 青空文庫
「エ、茂ちゃんだね」 頭の僧侶はホッと息をついて、金剛杖を立て直して、巨杉の上のあたりを打仰ぎました。
安房の国の巻 大菩薩峠 青空文庫
巨杉の梢から金色の雫が、甚助の背へぽとぽと落ちた。
林崎甚助 剣の四君子 青空文庫
その巨杉の横枝へ、馬上の謙信のすがたは支えられたかと思われたが、屈身、一躍すると、もう混雑の人々の中へ放生月毛の脚は踏みこんでいた。
吉川英治 上杉謙信 青空文庫