葛蔓
かんねんかずら
名詞
標準
文例 · 用例
黒木の柱、梁、また壁板の美事さ、結んでいる葛蔓の逞しさ、簀子の竹材の肉の厚さ、翁は見ただけでも目を悦ばした。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
昔のまゝ練壁は處々崩れ落ちて、瓦も完全なのは見當ぬ位それに葛蔓が這い上つて居ますから、一見廢寺の壁を見るやうです。
— 国木田独歩 『日の出』 青空文庫
星明りに透かしてみると墓原らしい処は一面の竹籔となって、数百年の大|銀杏が真黒い巨人のように切れ切れの天の河を押し上げ、本堂の屋根に生えたペンペン草、紫苑のたぐいが、下から這い上った蔦や、葛蔓とからみ合って、夜目にもアリアリと森のように茂り重なっていた。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
それよりも日本という国のありがたいことは、竹と葛蔓とが野山にありあまって、これをいろいろの容器に利用する技術が、まことにらくらくと国民のあいだに進みかつひろまってきたことである。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫