碑面
ひめん
名詞
標準
文例 · 用例
納骨の場を掘ってくれている間に、矢代は墓石の間を廻り碑面を読んでみた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
みな古い時代のもので矢代の知らぬ先祖たちばかりだったが、いずれも氏名は矢代と同じで、また碑面の姓のどれにも藤原と経の三字が共通に使用されているのも、これも彼の初めて知ったことの一つだった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
それから順次に視線を墓地の各碑面の上に巡らせてゆくのにも、宜敷く新参の父を依頼する意をこめ礼拝していくのだった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
碑面には、金剛寺殿鎌倉右府将軍実朝公大禅定門と大きく一行に彫ってあった。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
何かの碑面にでもありそうな漢文体の文句を暗誦しながら睡眠を誘おうとしているらしい兄はと見ると、枕を並べたその人の方からは何時の間にか高い鼾が聞えて来た。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
その碑面が春陽を受けて、鉛色に光っているのも昔と同じであった。
— 国枝史郎 『血曼陀羅紙帳武士』 青空文庫
立寄つて碑面を読むと「わが死なば墓には植ゑよ、ひと本のしだれ柳を。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
碑面、塋窟の壁面、石器や陶器、其他種々の考古学的資料などについて、夥しい写真を蒐集している。
— 豊島与志雄 『好人物』 青空文庫