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捨人

捨人
名詞
1
標準
文例 · 用例
しかしもし、現実に八雲が世捨人になったとしたら、おそらくその貞淑な夫人もまた、『その同じ時』比丘尼になったかも知れないのである。
室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 小泉八雲の家庭生活 青空文庫
後世の日本文學史上に特筆さるべき一世の大詩人が、狹い田舍町に於て全く人に知られず住み、世捨人の侘しい隱遁生活をしてゐることを考へると、それだけでも自分は無量の感慨にうたれるが、さらに蒲原氏によつて直接訴へられた所を傳聞するに及び、自分は押へられない憂鬱と憤怒に驅られた。
萩原朔太郎 蒲原有明氏の近況を聞いて 青空文庫
ただいまの御賢明のお尋ねに依り、蓮胤日頃の感懐をまつすぐに申し述べまするが、蓮胤、世捨人とは言ひながらも、この名誉の慾を未だ全く捨て去る事が出来ずに居りまする。
太宰治 右大臣実朝 青空文庫
ヲサナイ歌モ多カラウ「いいえ、すがたは爽やか、しらべは天然の妙音、まことに眼のさめる思ひのお歌ばかりでございまするが、おゆるし下さりませ、無頼の世捨人の言葉でございます、嘘をおよみにならぬやうに願ひまする。
太宰治 右大臣実朝 青空文庫
けれども将軍家はおだやかに、ナカナカ、世捨人デハナイ。
太宰治 右大臣実朝 青空文庫
まあ、世捨人とでも言ふべきものであらうか。
太宰治 お伽草紙 青空文庫
しかし、世捨人だつて、お金が少しでもあるから、世を捨てられるので、一文無しのその日暮しだつたら、世を捨てようと思つたつて、世の中のはうから追ひかけて来て、とても捨て切れるものでない。
太宰治 お伽草紙 青空文庫
さればこそ、こんな世捨人みたいな生活も可能なのである。
太宰治 お伽草紙 青空文庫