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孤舟

こしゅう
名詞
1
標準
solitary boat
文例 · 用例
十四日、己酉、霽、将軍家烟霞の興を催され、杜戸浦に出でしめ給ふ、漸く黄昏に及びて、明月の光を待ち、孤舟に棹して、由比浜より還御と云々。
太宰治 右大臣実朝 青空文庫
大海の孤舟にあるが如き念をなすこと二月間、何の用事をも朝夕の涼しき間に濟ませ、終日我も出でず人も來ざりき。
IMPROVISATOREN 即興詩人 青空文庫
杜子美玉露凋傷楓樹林巫山巫峽氣蕭森江間波浪兼天涌塞上風雲接地陰叢菊兩開他日涙孤舟一繋故園心寒衣處々催刀尺白帝城高急暮砧 この詩、五句目にある兩開とは、兩年の秋に開くの意であり、他日の涙とは過ぎし日の涙の意である。
島崎藤村 桃の雫 青空文庫
六句目の故園を思ふ心にかけて孤舟といふことを言ひ出して來てあるのは、作者が山峽の間にゐて江流の涌き立つさまを眺めながら、一日も早く舟に乘つてその山峽を出たいと思ひ立つ時であつたからである。
島崎藤村 桃の雫 青空文庫
當時小諸義塾の塾主であつた木村熊二翁がこの詩をわたしに示し、特にその中の『叢菊兩開他日涙、孤舟一繋故園心』の二句を指摘して、いかにこの詩の作者が心の深い人であるかをわたしに言つて見せた。
島崎藤村 桃の雫 青空文庫
今日、食糧事情はそこまで逼迫しているという人もあろうが、難破して漂流している孤舟の中に生じた事件と仮定してさえも、私ども正常の人間性はその残酷さを許し得ないのである。
宮本百合子 女の手帖 青空文庫
近所にチヌの浦孤舟といふ浪花節の師匠がゐて、この近辺では一番強く、ヘボ倶楽部を吹聴した発頭人であつたが、まもなく再び碁会所へ現れるやうになり、僕も互先で打つやうになつた。
坂口安吾 古都 青空文庫
横手の入り江には、小舟が砂に曳きあげてあった、私達はそれを浮かべて、やがて湖水のなかほどまで漕ぎ出すと、東の端に、彼のグロース・シュレックホルンが、夕陽を浴びて物凄く聳えておる、「白鳩」は、どす黒い岩のひだにくっきりと浮き出して、虚空に光る眼のように、孤舟の旅人を見張っていた。
辻村伊助 スウィス日記 青空文庫
作例 · 標準
霧の立ち込める湖に、一艘の孤舟が静かに浮かんでいる。
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荒波の中を進む孤舟の姿は、まるで人生の縮図のようだった。
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岸辺を離れた孤舟が、夕闇の中に消えていくのをじっと見守った。
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