近村
きんそん
名詞
標準
neighboring villages
文例 · 用例
元来彼等きょうだいの出生地、和歌山県有田郡湯浅村(現在湯浅町)は気性の荒いので近村に知られた漁村である。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
同宿の若い坑夫さんと山の観音様へ詣でた、一年一度のおせつたいがあるといふので、近村のおぢいさんおばあさんが孫を連れておほぜい詰めかけてゐた、山村風景のおもしろい一枚である。
— 大田から下関 『行乞記』 青空文庫
選択科目は尋常科修身の一学年から四学年までの合級授業で、謄写版に刷つた其の教案は一週間前に近村の各学校へ教師の数だけ配布された。
— 石川啄木 『道』 青空文庫
この町から近村に散らばっているものばかりで十二三軒あった。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
こんな大暴れは三十年振りだとかいうくらいで、町も近村もおびただしい被害でした。
— 岡本綺堂 『怪獣』 青空文庫
それから近村の小作人、出入りの職人まで寄り集まって盛んな祝いであった。
— 寺田寅彦 『竜舌蘭』 青空文庫
夜になって蛙神が近村の人びとの夢にあらわれて、崑の家をつくってくれと言ったので、村の人は夜が明けると、材木を運び、大工を集めて、崑のために建築にとりかかった。
— 田中貢太郎 『青蛙神』 青空文庫
さてその金の催促に来るごとに、役人を近村の料理屋へ連れ行き乱酔せしめ、日程尽き、役人|忙て去ること毎度なり。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫