手裏
しゅり
名詞
標準
文例 · 用例
おまえの手帳をちょっと見せな、預かっとこう」 手練の手裏剣見事に三上の胸元を刺した。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
畜生め、若い時は、一手、手裏剣も心得たぞ――とニヤニヤと笑いながら、居士が石を取って狙ったんです。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
光る手裏剣が欲しかった。
— 太宰治 『古典風』 青空文庫
……ふーむ、奇怪な言葉が聴えるぞ」 三町四方に蚤の飛んだ音も聴きわけるという佐助が、怪しい楼上の声を聴きつけて、そう呟いた途端、一本の手裏剣が佐助の眉間めがけて、飛んで来た。
— 織田作之助 『猿飛佐助』 青空文庫
風の通しのちと変挺な、その脳味噌に風穴一つ、明けて口惜しい手裏剣を、眉間めがけて投げてはみたが、宙にとめられ残念至極、うぬは一体どこの何奴だ?
— 織田作之助 『猿飛佐助』 青空文庫
而して先天的に不幸の體質を受けて、病魔の手裏に囚はれて居る病人に對しては、其の病人たるの故を以て與ふるところの斟酌といふものは一毫も無く、收税者は其の怠納の場合には鐵の定矩の決して枉ぐべからざるが如くに租税を嚴取するのは抑※何といふ事で有らう。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
只一つ仕止める方法は手裏剣でした。
— 身延に現れた退屈男 『旗本退屈男 第六話』 青空文庫
キラリ、朝陽に短く光りの尾が曳いたかと見るまに、どこからか飛んで来て、プツリ、お駕籠の棒先に突きささったのは手裏剣だった。
— 佐々木味津三 『老中の眼鏡』 青空文庫