消ゆ
きゆ
Nidan verb (lower class) with 'yu' ending (archaic)動詞-自動詞
標準
to disappear
文例 · 用例
まひる利根川のほとりを歩めば、二人歩めばしばなくつぐみ、つぐみの鳴くに感じたるわが友のしんじつは尚深けれども、いまもわが身の身うちよりもえいづる、永日の嘆きはいやさらにときがたし、まことに故郷の春はさびしく、ここらへて山際の雪消ゆるを見ず。
— 萩原朔太郎 『利根川の岸邊より』 青空文庫
消ゆるかに見えて、また立つ漣……」 岳麓にできた八つの湖、その一つ一つを見まもる八人の河神の若い瞳。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
見る目は人の咎にして、有るまじき事と思ひながらも、立ちし浮名の消ゆる時なくば、可惜白玉の瑕に成りて、其身一生の不幸のみか、あれ見よ伯母そだてにて投げやりなれば、薄井の娘が不品行さ、両親あれば彼の様にも成らじ物と、云ひたきは人の口ぞかし、思ふも涙は其方が母、臨終の枕に我れを拝がみて。
— 樋口一葉 『雪の日』 青空文庫
これは、活用の上においても、「得」のような甲の類に属するものは「う」「うる」とア行に活用し「消え」「絶え」「越え」のような乙の類のものは「消ゆ」「絶ゆ」「越ゆ」とヤ行に活用します。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
(その内マッチの火消ゆ。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
巨豚ヨークシャ銅の日を、 こまのごとくにかたむきて、旋れば降つ栗の花、 消ゆる里長のまなむすめ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
散る、風なくして散る其もみぢ葉の影の消ゆるのは、棚田、山田、小田の彼方此方、砧の布のなごりを惜んでふ状に、疊まれもせず、靡きも果てないで、力なげに、すら/\と末廣がりに細く彳む夕の煙の中である。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
余計な心配だが、これから五年あるいは十年の後、工事|了りて元の閑寂なる山村に帰った時、初めて眼醒むる彼等の苦痛は、一旦心に印せられた惰弱の風と共に永久に消ゆるの時がなかろう。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
作例 · 標準
夕暮れ時、遠くの山並みが次第に霞んで消えゆく。
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その昔、この地に栄えた都も、今は跡形もなく消えゆきてしまった。
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朝焼けの空に浮かぶ雲が、ゆっくりと形を変えながら消えゆく様は美しい。
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