面擦れ
めんずれ
名詞
標準
文例 · 用例
蒼白い顔色であるが、頬骨は高く、額の広い、面擦れのできた大作は、こういうと、何人も動かしがたい決心の様が、眼にも、額にも、脣にも、現れたようであった。
— 直木三十五 『三人の相馬大作』 青空文庫
」 大次郎は、優しい顔に似げなく額部の照りに面擦れを見せて、黒七子紋付きの着流し、鍛え抜いた竹刀のように瘠せた上身を、ぐっと千浪のほうへ向けた。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫
「面擦れ――こら、この面ずれが、何よりの証拠だ。
— 林不忘 『口笛を吹く武士』 青空文庫
ことに剣術の使手は眼の配りと面擦れでわかるものだが、蜻蛉の辰が寝呆け眼をこすりながら出て来た時、三次は一眼見てこれは大きに違うと思った。
— 霙橋辻斬夜話 『早耳三次捕物聞書』 青空文庫
もう一人の武士はこれと異い、年もおおかた三十でもあろうか、面擦れのした赭ら顔、肥えてはいるが贅肉のない、隆々たる筋骨の大丈夫で、その名を平手造酒といった。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
腰に大小を差しているし、総髪にきゅっとひき詰めてむすんだ髪の横鬢に面擦れの痕がある。
— 山本周五郎 『新潮記』 青空文庫