膨れ返る
ふくれかえる
動詞
標準
文例 · 用例
雪のごとく白い蒲団の一部がほかと膨れ返る。
— 夏目漱石 『倫敦塔』 青空文庫
以前はどんなにだだを捏ねても叱言を云えば素直に聴いたものですが、もうこの頃では少し気に喰わないことがあると、直ぐにむうッと膨れ返る。
— 谷崎潤一郎 『痴人の愛』 青空文庫
こうして斧や鎌を揮って六|片分も働くと、私の心は自己満足でふくれ返るのに、家の中で机に向って二十|磅稼いでも、愚かな良心は、己の怠惰と時間の空費とを悼むのだ。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
彼女たちが来ると、二之木は渋い顔をしてふくれ返るのだが、彼女たちの方ではお構いなしで、むしろそれが面白いというように、言葉にしろ動作にしろ恐ろしいほど大胆な表現を用いて、思うままに彼を翻弄するのであった。
— 山本周五郎 『似而非物語』 青空文庫