火事場
かじば
名詞頻度ランク #40634 · 青空 242 例
標準
scene of a fire
文例 · 用例
あのたいへんな火事場に、私ひとりを置いてどんどん逃げて行つてしまふんだもの。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
霧はフツ、フツと渦巻く、偃松に白く絡んで、火事場の烟でも立つように、虚空を迷っている、天幕の屋根の筋目から仰ぐと、暗灰色の虚空が壁のように狭くなって、鼻の先に突っ立っている、雨と知りながらも、手を天幕の外へ出すと、壁から浸染み出る小雨に、五本の指が冷やりとする、眼がやっと醒める。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
尤も『土佐古今の地震』という書物に、著者|寺石正路氏が明治三十二年の颱風の際に見た光り物の記載には「火事場の火粉の如きもの無数空気中を飛行するを見受けたりき」とあるからこれはまた別の現象かもしれない。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
おそらく世界第一の火災国たる日本の消防がほとんど全く科学的素養に乏しい消防機関の手にゆだねられ、そうして、いちばん肝心な基礎科学はかえって無用の長物ででもあるように火事場からはいっさい疎外されているのである。
— 寺田寅彦 『函館の大火について』 青空文庫
掛け図には殺されて倒れている人や、ソホの火事場の粗末な絵の見えるのもちょっとした効果がある。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
無声映画の時代にフィルムを単色に染めることによってあるいは月夜、あるいは火事場の気分を出したことがあった。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
そして、火事場と周囲の対照を、静かに見較べることが出来るようになった。
— 岡本かの子 『窓』 青空文庫
火事場の騒ぎはしんと静まって、どこかで朗かな鳥の声が聞えた。
— 岡本かの子 『窓』 青空文庫
作例 · 標準
火事場には野次馬が集まっていて、消防士の邪魔になっていた。
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救急隊員が火事場から子供を抱き上げて出てきた。
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隣のビルが火事場となり、焦げ臭い匂いが一日中漂っていた。
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火事場の検証は深夜まで及び、原因究明が急がれた。
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