蠅叩き
はえたたき
名詞
標準
文例 · 用例
そして素つ裸の腰に箒をさし、手に蠅叩きをもつて階上から獸のやうに叫んだ。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に與ふ』 青空文庫
井口氏がさきに朝鮮|駐剳軍司令官として、龍山に居る頃は、夏になると、司令官の室には蠅叩きの二本や三本は、いつでも屹度備へ付けがあつて、井口氏は絶えずそのなかの一本を手にして、室のなかをきよろきよろしてゐたものだ。
— 大正八(一九一九)年 『茶話』 青空文庫
もしか悪戯な蠅が、井口氏の鼻つ先にでもとまらうものなら、井口氏はその蠅叩きでもつて、脂ぎつた自分の顔をいやといふ程|叩しつけ兼ねなかつた。
— 大正八(一九一九)年 『茶話』 青空文庫
「兄がわざわざ、母の古靴で蠅叩きを拵らへましたのですけれど、やつぱり、まだとても大変ですわ。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
少し暇が出來ると、病室の蠅叩きと蠅追ひだ。
— 湘南サナトリウムの病院にて 『寢たらぬ日記』 青空文庫
蠅叩きという道具でわれわれを叩き殺す。
— 海野十三 『ふしぎ国探検』 青空文庫
さしあたり、蠅叩きや蠅取紙を全部焼きすてること。
— 海野十三 『ふしぎ国探検』 青空文庫
波立つ胸で私はその少し前に用意して來てゐた蠅叩きを取つた。
— 虻と蟻と蝉と 『樹木とその葉』 青空文庫