心理劇
しんりげき
名詞
標準
文例 · 用例
必ずその解答は、君が発見した|紋章のない石――にあるに相違ないのだ」「なるほど、明察には違いないが」といったんは率直に頷いたが法水は、続いて憂わしげに瞬いて、「しかし、この際の懸念と云うのは、かえって、レヴェズの心理劇の方にあるのだよ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
いまに見給え、あの三匹の深海魚は、きっと自分の胃腑を、僕の前へ吐き出しにくるに相違ないのだから」とそれから法水は、彼が演出しようとする心理劇が、いかに素晴らしいかを知らせるのだった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
ジーグフリードを殺そうとして、殺された……」「ミーメ……」 と口誦んで、法水はその一場の心理劇を、噛みしめるように玩味していたが、やがて、意味ありげな言葉を犬射に云った。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
しかし、その眼を転じて、法水を見ると、そこにはいつも変らぬ、鉄壁のような信念が燃えているのであるから、いよいよもって、その心理劇の正体が朦朧としてしまい、知りつつ――そこを迷路と承知しながらも、検事は足を引き抜くことができなくなってしまうのだった。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
怪奇心理劇てんだよコレア……」「ああスゴかった」「ステキだった」「あすこまで行こうたあ思わなかった」 そうして又、思い出したように方々から振返って拍手の嵐を送るのであった。
— 夢野久作 『二重心臓』 青空文庫
きっと多くのところでこういう心理劇が行われているのだろう。
— 一九三七年(昭和十二年) 『日記』 青空文庫
不良 相当の筆力を示し、心理劇として見るべきところあり。
— 岸田國士 『ラヂオ・ドラマ選者の言葉』 青空文庫
思想劇、社会劇、心理劇、性格劇、気分劇などと分類はしても、「戯曲的」なものとさうでないものとの区別になると、大体標準は簡単である。
— 岸田國士 『演劇論の一方向』 青空文庫