幻辞.com

心裏

しんり
名詞
1
標準
文例 · 用例
この驚愕は自分をして当面の釣場の事よりは自分を自分の心裏に起った事に引付けたから、自分は少年との応酬を忘れて、少年への観察を敢てするに至った。
幸田露伴 蘆声 青空文庫
此言は心裏を想ひやつて意を立てゝゐるのだから、此も亦|中ると中らざるとは別であるが、而も正統記等が其跡に就いて拡張したのであらうといふことは、一箭双※鵬を貫いてゐる。
幸田露伴 平将門 青空文庫
いかな明敏な人でも、君と僕だけ境遇が違っては、互いに心裏をくまなくあい解するなどいうことはついに不可能事であろうと思うのである。
伊藤左千夫 去年 青空文庫
むろん僕の心をもってしては、君の心裏がまたどうしてもわからぬのだ。
伊藤左千夫 去年 青空文庫
熟々と戀人の心裏を讀み得た小室も非常に滿足した。
伊藤左千夫 古代之少女 青空文庫
村の生活が一つの全體物として、形象として彼の心裏に生きて來るといふことは到底不可能であるとしか思へなかつた。
島木健作 續生活の探求 青空文庫
彼は最早それ以上彼の心裏に残存して居る或る物をまで奪ひ去られることには堪へないのである。
長塚節 青空文庫
彼は絶えず或物を探すやうな然も隱蔽した心裏の或物を知られまいといふやうな、不見目な容貌を村落の内に曝す必要が漸く減じて來た。
長塚節 青空文庫