重籐
しげどう
名詞
標準
文例 · 用例
溜漆重籐飾り巻のけっこうやかなひと張りを奥から持ち出すと、ギラリ、目を光らしながら小声で囁きました。
— 仙台に現れた退屈男 『旗本退屈男 第七話』 青空文庫
いぶかりつつも主水之介は、さッと片肌はねてのけると、おもむろに手にしたは飾り重籐、颯爽としたその英姿!
— 仙台に現れた退屈男 『旗本退屈男 第七話』 青空文庫
土壇のあたり、皎々としてまばゆく照り栄え、矢場のここかしこ仙台藩士の色めき立って、打ち睨むその目、にぎりしめる柄頭、一抹の殺気妖々としてたなびきながら、主水之介が手にせる重籐、キリキリとまた音もなく引き絞られたかと思われるや、ヒュウと弦音高く切って放たれたかと見るまに的は五寸、当りは黒星――。
— 仙台に現れた退屈男 『旗本退屈男 第七話』 青空文庫
謎の矢場主英膳が、あの重籐の弓構えとって、突如矢場の切り戸わきに仁王立ちとなると、天にもひびけとばかり呼ばわりました。
— 仙台に現れた退屈男 『旗本退屈男 第七話』 青空文庫
ちと古風でござりまするが、それがお不向きでござりましたら、こちらが真巻きにぬり重籐、お隣が日輪、月輪、はずれが節巻きに村重籐。
— 七化け役者 『右門捕物帖』 青空文庫
作り髭を付け、唐冠の甲を著け、金札緋威の鎧に朱塗の重籐の弓を握り、威儀堂々と馬に乗って洛中を打ち立った。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
矢頃を計り射落とすがよいぞ」「かしこまりましてござります」 近習の捧げる重籐の弓をむずと握って矢をつがえたが、二間余りつと進むと、キリキリキリと引き絞った。
— 国枝史郎 『大鵬のゆくえ』 青空文庫
これ弓箭の根元でござる」「さらに問い申す重籐の弓は?
— 国枝史郎 『弓道中祖伝』 青空文庫