鵠
くぐい異読 くくい
名詞
標準
swan
文例 · 用例
すべて芸術上の新様式の発生期に当つてその新様式を是非することは、予想外の困難を伴ふことだし、大概の場合正鵠を射当てることはない。
— 中原中也 『新短歌に就いて』 青空文庫
そして彼の見識は、殆んど大抵の場合に正鵠だつた。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
9 海に面した鵠沼の東家に、病臥中の芥川君を見舞つたのは、私が鎌倉に居る間のことだつた。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
そして私が此處まで考へてきた時、始めてあの鵠沼における悲壯な會話が、言語の隅々まで明らかに解つてきた。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
その人の仕事や学説が九十九まで正鵠を得ていて残る一つが誤っているような場合に、その一つの誤りを自認する事は案外速やかでないものである。
— 寺田寅彦 『科学上における権威の価値と弊害』 青空文庫
それ故に藝術の眞の評價は、それが新しく感じられる時期を去つて、やや古く、過去のものとして考へられる時代に移り、始めて◇正鵠を得るのである。
— 萩原朔太郎 『名詩集「思ひ出」の眞價』 青空文庫
そして事實は十中八九それの正鵠を證明してゐる。
— 梶井基次郎 『矛盾の樣な眞實』 青空文庫
もし私の直感が正鵠を射抜いていましたら、影がK君を奪ったのです。
— ――或はKの溺死 『Kの昇天』 青空文庫