茶所
ちゃどころ
名詞
標準
文例 · 用例
かりそめの雲がくれとも知らざれば隠れし月の惜まるるかなおなじ寺の茶所に世を避けて住みし大田垣蓮月尼は、念仏風雅の友として昔より魂合へるなからひなりしが、明治八年十一月ばかりに八十六歳にて身まかりにけり。
— 與謝野禮嚴 『禮嚴法師歌集』 青空文庫
太い柱列の間の入口から、立派な石の正面階段を昇ってゆくと、左手の柱に喫茶所と札が出ている。
— 宮本百合子 『ソヴェト文壇の現状』 青空文庫
真にまたと見ることの出来ぬと思われるほどの思いつきで、赤や浅黄の無垢を重ね、上に十徳を着たお坊主までついて、銀の道具のお茶所まで従がっていった。
— 長谷川時雨 『一世お鯉』 青空文庫
別に喫茶所を設けてある。
— お穴樣の探檢 『探檢實記 地中の秘密』 青空文庫
八 その晩、甲府八幡宮の茶所で大欠伸をしているのは宇治山田の米友であります。
— 伯耆の安綱の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
境内を残る隈なく見廻って、油を差すべきものには差し終ってから米友は、また茶所へ帰って来ました。
— 伯耆の安綱の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「兄い、なかなか寒いじゃねえか」 気軽に茶所へ入って来たのは、でえだらぼっちでもなければ、八幡様の廻し者でもないようです。
— 伯耆の安綱の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
屋台もろともにこの茶所へ転げ込んで、「ウ――」と唸ったのは鍋焼饂飩屋の老爺であります。
— 伯耆の安綱の巻 『大菩薩峠』 青空文庫