さびた
さびた異読 サビタ
名詞
標準
panicled hydrangea (Hydrangea paniculata)
文例 · 用例
爛熟し、頽廢し、さうしてさびた揚句の果が、こんな閑寂にたどりついたので、私は、かへつて、このせまい裏路に、都大路を感ずるのである。
— 太宰治 『九月十月十一月』 青空文庫
既に年経て、古く物さびた庵の中には、今もなお故人の霊がいて、あの寂しい風流の道を楽しみ、静かな瞑想に耽っているように見えたか知れない。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
御城の杉の梢は丁度この絵と同じようなさびた色をして、お濠の石崖の上には葉をふるうた椋の大木が、枯菰の中のつめたい水に影を落している。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
小門|清楚、「春夏秋冬花不断」の掛額もさびたり。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
神さびた境内にたたずんで、夜山をかけた参詣の道者が、神前に額ずいての拍手を聞きながら、「日本の山には、名工の建築があるからいいなあ」と思った。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
神楽殿の傍には、周囲六丈四尺、根廻りは二丈八尺、と測られた神代杉がそそり立って、割合に背丈は高くないけれど、一つ一つの年輪に、山の歴史の秘密をこめて、年代の威厳が作り出す色づけと輪廓づけを、神さびた境内の空気に行わたらせている。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
柴の門を入ると瀟洒とした庭があって、寺と茶室と折衷したような家の入口にさびた聯がかかっている。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
地味が品質の検校を受けてしばしば上品の列に加わるのは、さびた心の奥床しさによるのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
作例 · 標準
庭の隅に、今年もたくさんのさびたが白い花を咲かせている。
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さびたの花は、涼しげで夏にぴったりだ。
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この公園には、様々な種類のさびたが植えられていて、見事な景観だ。
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