描き方
えがきかた
名詞
標準
文例 · 用例
突飛な題材を無造作な不細工な描き方で画いているようではあるが、第一構図や意匠の独創的な事は別問題としても今ここに論じているような「不協和の融和」という事が非常にうまく行われているので、そこに名状の出来ぬ深みが生じ「内容」が出来ているのである。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
近頃某氏のために揮毫した野菜類の画帖を見ると、それには従来の絵に見るような奔放なところは少しもなくて全部が大人しい謹厳な描き方で一貫している、そして線描の落着いたしかも敏感な鋭さと没骨描法の豊潤な情熱的な温かみとが巧みに織り成されて、ここにも一種の美しい交響楽が出来ている。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
単にその技巧の上から見ても津田君の例えばある樹幹の描き方や水流の写法にはどことなくゴーホを想起させるような狂熱的な点がある。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
多くの場合にこの室の屏風からは何物をも受取る事が出来ないので、今度はその隣りにある洋画臭い風景画に移って行くと、その新しい描き方に少時足を止めさせられたりする。
— 寺田寅彦 『帝展を見ざるの記』 青空文庫
描き方としては随分重苦しく厚ぼったいものである。
— 寺田寅彦 『帝展を見ざるの記』 青空文庫
その絵があんまりのんきで、その描き方があんまり気楽なので、思わず二人で笑ってしまった事があるが、同じ油絵をかくのでも、人によってこんなにもちがうものかと思った。
— 寺田寅彦 『中村彝氏の追憶』 青空文庫
一平 僕はあの小説を読むと描き方はやわらかく感じるが、あの女は格別新しいとは思わないね。
— 岡本かの子 『新時代女性問答』 青空文庫
しかし老大家は、彼の新工夫の描き方を、仲間に盗まれるのを惧れて、絶対に人に見せませんでした。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫