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駆抜

かけるぬけ
名詞
1
標準
文例 · 用例
取揚婆さんは前へ早や駆抜けて、黒門のお部屋へ産所の用意。
泉鏡花 草迷宮 青空文庫
俥がそれなり駆抜けないで、今まで、あの店に居たのは奇縁だ。
泉鏡花 薄紅梅 青空文庫
米は前へ駆抜けて、初音はこの時にこそ聞えたれ。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
これを見棄てては駆抜けられない。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
忽ち閃電のように源の側を駆抜けて了いました。
島崎藤村 藁草履 青空文庫
素知らぬ顔をして横目もくれず登って行く南日君を駆抜いてやろうと思うが、反て後れる許りだ。
木暮理太郎 黒部川奥の山旅 青空文庫
麹町、番町の火事は、私たち鄰家二三軒が、皆跣足で逃出して、此の片側の平家の屋根から瓦が土煙を揚げて崩るゝ向側を駈拔けて、いくらか危險の少なさうな、四角を曲つた、一方が廣庭を圍んだ黒板塀で、向側が平家の押潰れても、一二尺の距離はあらう、其の黒塀に眞俯向けに取り縋つた。
泉鏡太郎 露宿 青空文庫
――人波は大綱の如く、大厦高樓のめぐりに絡はるなか、道は遠長く紆りて、見えつ隱れつ、解し難くうち雜りたる群集の、手振狂ほしく足並亂れ、眼には憎の色を湛へて、駈拔く「時」をやらじとばかり、齒にて引留む。
上田敏 牧羊神 青空文庫