紫赤
しせき
名詞
標準
文例 · 用例
さるにても、山川の美しさは、春や秋のは言わばデパートメントの売り出しの陳列棚にもたとえつべく、今や晩冬の雪ようやく解けて、黄紫赤褐にいぶしをかけし天然の肌の美しさは、かえって王宮のゴブランにまさる。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
見ると、彼の美しい顔の半面は、薄気味の悪い紫赤色を呈してゐる。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
見ると、彼の美しい顔の半面は、薄気味の悪い紫赤色を呈している。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
第三にセイロン特産のシンガリース藪鶏、また家鶏に似るが、胸赤く、冠黄で、縁赤く、頬と頷の垂嚢が紫赤し。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
花紅紫赤、又、濃き淡きあり、春末初めて発し夏中最も盛り、秋冬凋まず、続々開拆す、四時翫好蕪靡愛すべし、今年初めて禁離に種ゆ、物、地を得て美を増す、数十の名花ありと雖も傍色香なき若し。
— 南方熊楠 『きのふけふの草花』 青空文庫
沈みかけようとする夕陽が団々の雨雲を紫赤色に染めあげていた。
— 久生十蘭 『墓地展望亭』 青空文庫
唐の陳蔵器という学者は「昆布ハ南海ニ生ズ、葉ハ手ノ如ク、大サハ薄キ葦ニ似テ紫赤色ナリ」といっている。
— 牧野富太郎 『植物一日一題』 青空文庫
花の外面に多くの白毛が生じており、六|片の花片(実は萼片であって花弁はなく、萼片が花弁状をなしている)の内面は色が暗紫赤色を呈している。
— 牧野富太郎 『植物知識』 青空文庫