宿元
やどもと
名詞
標準
文例 · 用例
扨御宿元日々早朝不相変御見舞申上候処、御番頭様朝起感心仕候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
その時女中の一人が平野郷の宿元に帰つてこんな話をした。
— 森鴎外 『大塩平八郎』 青空文庫
宿元は小倉に近い処にあるが、兄が博多で小料理屋をしている。
— 森鴎外 『独身』 青空文庫
さらさらと書流す一通の手紙、金七という己が宿元へ。
— 直木三十五 『傾城買虎之巻』 青空文庫
調所殿の御取計いで、宿元下げ渡しで、けりはついたが、その方のことが、発覚してはおもしろうない。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
七九 大儒の擬律 正徳の頃、武州川越領内駒林村の百姓甚五兵衛とその忰四郎兵衛の両人が、甚五兵衛の娘「むす」の夫なる伊兵衛という者を、彼がその当時住居していた江戸から、宿元なる同村へ一寸帰って来た際に、これを絞殺して河中へ投じた事件があった。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
「ゆっくりお相手をいたしたいのでござりますが、宿元に戻りましてから、狂言の打ち合せもござりますので、これでお暇が願いとう――その中に、必ずまた、御機嫌伺いにまいりまする」「さようか。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
わざと、しなを作って、長崎屋の方へ身を擦りよせるように、「旦那さま、実は今夜は、宿元にて、役者の寄り合いがあるはずのところ、外ならぬあなたさまのお言葉にて、この場に伺わせていただきましたので、お名残り惜しゅうござりますが、中座いたさせていただきます。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫