稜々
りょうりょう
形容動詞
標準
文例 · 用例
しかし是に懲らされて、狐は落されてしまったと見え、それからは、鳶肩長身、傲骨稜々たる匡衡朝臣も、おとなしくなって、好いお父さんになっていたという話である。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
それに引かえて主人は萎え汚れて黒ばめる衣裳を、流石に寒げに着てこそは居ないが、身の痩の知らるる怒り肩は稜々として、巌骨霜を帯びて屹然として聳ゆるが如く、凜として居丈高に坐った風情は、容易に傍近く寄り難いありさまである。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
世にはまた一種拗戻偏僻の性質よりして、好んで剋殺の作用をなし、朱を名畫に加へ、指を寶器に彈ずるが如きことを敢てして、而も意氣は昂々、眼角は稜々、以て自ら傲るものも有るが、此等は眞に妄人癡物といふべきものである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
故に岩面稜々として當るべからざるものあり。
— 長塚節 『草津行』 青空文庫
故に圭角稜々巉々として巨人の如きあり。
— 長塚節 『草津行』 青空文庫
気骨稜々たる慷慨家の公良孺。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫
東湖その他の水戸学者の稜々たる野性ぶりとは違つて、温厚篤実、心の底からの学者肌の人であつた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
藤田東潮は、会沢の学者肌に対して、寧ろ、悲憤慷慨する稜々たる気骨の政治家肌の男であつた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫