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擂木

擂木
名詞
1
標準
文例 · 用例
東 れうやく口に苦し西 れんぎで腹切る 腹は擂木を以て切るべきにあらず、能はざる事をば滑稽に云ひ取れるなり。
幸田露伴 東西伊呂波短歌評釈 青空文庫
然し、眼が暗さに慣れるにつれて、更に驚くべきものを見た、と云うのは、その男の両足は、膝蓋骨から三寸ほど下の所で切断されていて、その木脚のような二本の擂木が、壁に背を凭せ全身を支えて突っ立っているのだった。
小栗虫太郎 夢殿殺人事件 青空文庫
左は中指右は無名指が第二関節からない両手の甲は、骨の間がすっかり陥没して居て、指頭が細く尖って異様に光っているばかりではなく、膝蓋骨から下の擂木は、殆んど円錐状をなす迄に萎え細っていた。
小栗虫太郎 夢殿殺人事件 青空文庫
で、推摩居士にはそれが何処にあるかと云うと、現に義足を見れば判る通りで、腓骨の中央で切断されている擂木の端にはなく、却って、膝蓋骨の下の腓骨の最上部にある。
小栗虫太郎 夢殿殺人事件 青空文庫
そして、それ以下の擂木は、義足の中でブラブラ遊んでいるのだ。
小栗虫太郎 夢殿殺人事件 青空文庫
ただ年が年中足を擂木にして、火事見舞に行くんでも、葬式の供に立つんでも同じ心得で、てくてくやっているのは、本人の勝手だと云えば云うようなものの、あまり器量のない話であります。
夏目漱石 文芸の哲学的基礎 青空文庫
文明は人の神経を髪剃に削って、人の精神を擂木と鈍くする。
夏目漱石 虞美人草 青空文庫
この間卒業して以来足を擂木のようにして世の中への出口を探して歩いている敬太郎に会うたびに、彼らはどうだね蛸狩は成功したかいと聞くのが常になっていたくらいである。
夏目漱石 彼岸過迄 青空文庫