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擂り鉢

すりばち
名詞
1
標準
文例 · 用例
漸くゼーロンも必死となった如く、更に高ハードルを跳び越える通りな恰好で、弓なりに擂り鉢のふちを駆け続けて、いよいよ降り坂の出口にさしかかった。
牧野信一 ゼーロン 青空文庫
店子はおりおり擂り鉢にみごとな鮒を入れてもらうことなどもある。
田山花袋 田舎教師 青空文庫
競輪はペダルに靴をバンドでしめつけて外れない仕組になっているので、落車すると自転車もろとも、一体にころがり、コンクリートのスリバチ型の傾斜をころがるから、本当に落車すると、相当の負傷をする。
今日われ競輪す 安吾巷談 青空文庫
しかし、私の見た落車は、スピードの頂点に於て行われたものではなく、前の車をカーブでぬこうとしてスリバチの頂点へ登りつめ、登りつめたことによって、速力が停止した瞬間に横にころがっていた。
今日われ競輪す 安吾巷談 青空文庫
観衆は落車は危険だと思い、落車すると、すぐタンカがきて、運んで行くから、誰しも落車を偶然の事故だと思って怪しまないが、カーブに於て、スリバチの頂上に登りつめると、自然に停止する瞬間があり、その瞬間にころがると、停止してころがったのと全く同じ状態にすぎないことを見のがしているのである。
今日われ競輪す 安吾巷談 青空文庫
同時に又、スリバチ型の頂上へのぼりつめて、自然に速力が停止すると、もしペダルから足が放せるなら、当然片足をヒョイと降して、支えて止まる状態でもあり、それが出来ないから、ころがるだけの、きわめてスムースに、かつ、やわらかく、ころがりうる状態であることを知る必要もあろう。
今日われ競輪す 安吾巷談 青空文庫
下曾我からかなり離れているが、丹沢山の山中へ深くはいったスリバチ型の谷に非常に良質のヒノキが自生しているところがある。
その十二 愚妖 明治開化 安吾捕物 青空文庫
いわば海の上へスリバチを伏せたようなケーキをおいて、その上に白いクリームをかけて、クリームの中央へチョコレートをかけ、そのチョコレートが二本半クリームの上へ垂れているように見えた。
消え失せた沙漠――大島の巻―― 安吾の新日本地理 青空文庫