飲物
のみもの
名詞
標準
文例 · 用例
また、事実、お飲物は、口に流し込むようにしていただいたほうが、不思議なくらいにおいしいものだ。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
葡萄酒のブランデーとかいう珍しい飲物をチビチビやって、そうして酒癖もよくないようで、お酌の女をずいぶんしつこく罵るのでした。
— 太宰治 『貨幣』 青空文庫
自宅から自動車で迎へに来たせん子は、赤子を抱いたまゝ会場を廻つたので疲れて、今食堂で何か飲物を摂つてゐる――桂子はたゞ一人闇空の下に立ち現はれてQ――芸館の屋上庭園を靴の底に踏み締めた。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
ところが、ダンネベルグ様は、果物は後にして何か飲物が欲しいと仰言るので、易介がレモナーデを持ってまいりました。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
家は絨帳穹盧、食物は羶肉、飲物は酪漿と獣乳と乳醋酒。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
米屋の主人I氏から香仙粉一袋を頂戴した、日本的家庭の飲物としても食物としてもこよなき品である、そして私をして懐旧の感慨に耽らしめる。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
それは少し甘味のある軟かなほんのりと香のある飲物であつた。
— 田中貢太郎 『蛾』 青空文庫
その時は病気に障るとかで、すべての飲物を禁ぜられていた。
— 夏目漱石 『思い出す事など』 青空文庫