簇生
そうせい
名詞
標準
文例 · 用例
少しおくれて、それまでは藤棚から干からびた何かの小動物の尻尾のように垂れていた花房が急に伸び開き簇生した莟が破れてあでやかな紫の雲を棚引かせる。
— 寺田寅彦 『五月の唯物観』 青空文庫
近づいたとき見ると、男の顔には、なんという皮膚病だか、葡萄ぐらいの大きさの疣が一面に簇生していて、見るもおぞましく、身の毛がよだつようなここちがした。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
(昭和三年五月、渋柿) * 梨の葉に黄色い斑ができて、毛のようなものが簇生する。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
頂上を見ると黄色がかった小さい花が簇生しているが、それはきわめて謙遜な、有るか無きかのものである。
— 寺田寅彦 『病室の花』 青空文庫
延びるにしたがって茎の周囲に簇生した葉は上下左右に奇妙な運動をしている。
— 寺田寅彦 『春六題』 青空文庫
とにかくうすら寒い時候に可愛らしい筍をにょきにょきと簇生させる。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
梨の葉に病気がついて黄色い斑紋ができて、その黄色い部分から一面に毛のようなものが簇生することがある。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
南岸には石楠花が簇生してゐて、今は花はすがれてゐるが、花時の美しさは思ひ遣られる。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫